2022年度 スローガン

志行移山

一人の志ある行動は、初めは小さなものかも知れない。

しかし、その想いは、人を動かし、

やがて山を動かすほどの偉業を可能にする。

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一般社団法人当別青年会議所 

2022年度理事長所信

第43代理事長
​松岡 宏尚

はじめに 

青年会議所の一つの事業だけでまちの課題を解決することは難しい。

一人の会員拡大の成功で、すぐにまちが変わるわけではない。

 

しかし、その一つの事業や新たなメンバーが持つ可能性は本当に大きいものだ。

なぜなら、1人の考えや行動は小さなものかも知れないが、その想いは一つの事業を形づくり、運動となって伝播することで、賛同者が10人、100人、そして1000人となれば、まちを動かすことが出来るかもしれないからだ。

 

「君の言うことは分かるけど、そのアイディアは無理じゃないかな」「このまちじゃ、それは無理だよ」

 

自分の会社と当別町を盛り上げたい。そう思って28歳で当別町に戻ってきた私にとって、希望を打ち消す周囲からのネガティブな言葉たちは、未来に対する希望や想像力、行動力を奪ったのである。

 

しかし、それから1年後に青年会議所に入会したことが転機になり、様々な人との出会いや機会から多くの経験をさせていただき、このまちに向き合う中で、周りの人やこのまちのために、と考えられる利他の精神を得るとともに、ネガティブになっていた思考、行動をポジティブなものへと変革することができたと思う。

 

私と同じように、JCI当別との出会いによって、このまちに対して興味関心が希薄な人やネガティブな思考を持つ人の意識が変わり、利他の精神が育まれることで、周りの人を思いやり、まちの未来をポジティブに考えられる人が増えていく。そして、そのような人と人との有機的なつながりは、様々な連携や協働から、大きな運動を生み出す可能性を持ち、やがてまちを変えていくことが出来ると確信している。

 

そう考えると、可能性は無限大だ。

私たちの意志ある行動の一つ一つはごく僅かなものだが、目の前の課題に真摯に向き合い、信念をもって、このまちがより良くなる可能性にワクワクしながら共に明るい豊かな未来に向けて一歩ずつ邁進していこう。

 

 

インパクトと継続性を生み出す

 

 私たちの活動は、このまちが持続的に発展するために課題を発見し、解決に向けて、このまちで住み暮らし活動する人々の意識を変革する一つの手段です。関わった人々の意識を変革し、そして行動に移すまでのリアクションを一つでも多く生み出すことが出来るインパクトある事業が求められます。一方で、例えば人口減少や高齢社会に関連する様々な課題をはじめ、経済縮小に伴う複雑なまちの課題、また中長期的な視点で取り組まなければならない次代を担う人材育成などに対して、最大限の効果を発揮する手法は何かということを常に追い求めなければならず、さらに、変化の速い現代社会においては、実行までのスピードを求める必要もあるため、私たちはこれまでよりも一層、多角的なものの見方や考え方、またはイノベーションによってまちが持続的に発展する可能性を見出していかなければなりません。

 これらの課題を解決し、生産性を高め、運動を最大化するために、青年会議所に限らず、企業や団体などの組織として重要視されているのがダイバーシティー「多様性」です。特に「多様性」が重要視されているのは、地域の課題解決だけではなく、企業や団体においても解答のない問題が増加し複雑化していることから、様々な視点や今までにない新たな視点を得ることで、新しいアイディアが生まれ、早期の課題解決やブレイクスルーが実現できると期待されているからです。一例として、2016年にボストンコンサルティンググループがミュンヘン工科大学と協働で行った世界8カ国、1600以上の企業を対象に行った調査結果では、ダイバーシティーが進んでいる企業と進んでいない企業のイノベーションにおける売上の割合を調べたところ、前者が45%、後者が26%となり、その他調査研究からダイバーシティーの重要性が数値としても表されています。ダイバーシティーを推進していく上での手段として、町民や家族、友人の声に耳を傾けることはもちろん、一つの目的に向かって共に取り組む企業や諸団体とのパートナーシップを組むことで、企業文化、専門的な知見から様々な視点を取り入れ、付加価値を生み出していくことが重要です。その点において、JCI当別では近年、様々な職種や経験を持つ新入会員の入会による多様な背景を持った会員と共に、町内外の団体、企業との連携や協働によって、多くの事業を展開してきました。特に専門性を持った団体や企業との協働は、青年会議所内には無かった多様な視点から新たな気付きが生まれることや事業の実現可能性を高めること、さらに事業規模の拡大やまちへの高い影響力にも結びついています。これは、他団体では取り組んでいない青年会議所の特徴であり、強みの一つです。

 そこで、ダイバーシティーとパートナーシップによる協働をさらに推進させ、このまちの課題を町民に認知していただくとともにまちの未来に対して希望を抱くことが出来る機会を創出し、さらに私たちの手を離れてもこのまちに根付いていく自走可能な仕組みの構築に繋げ、単年度を越えた運動としてこのまちの変革に寄与して参ります。そして、このシステムがその先も機能することで、私たちが蒔き続ける種が数年後、数十年後に花開き、このまちの持続的な発展につながると確信しています。未来をより良いものにしてきましょう。

ファンづくり

 このまちの未来をより良くしたいと考え、行動する人が1人のまちと10人いるまち、または100人いるまちを比較した場合、100人いるまちが将来最も良いまちになる、と私は確信しています。青年会議所の会員拡大運動の意義は、一人ひとりがこのまちの未来を考え、行動する仲間を1人でも多くしていくことであり、持続的にこのまちの発展に寄与していくことです。さらに、会員数の増加により、課題や諸問題に対する解決方法を見出す視点はより一層増えるとともに、私たちの運動の輪は広がり推進力が高まります。

 青年会議所に入会できる会員は満20歳から40歳未満までの青年に限られています。そのため、拡大活動の多くは、青年会議所で得られるスキルや人のつながりなどの価値や魅力発信を、主に会員候補者に対して行っています。しかし、拡大成功事例の中には、青年会議所OBの先輩方をはじめとした候補者の紹介や後押し、さらに一般会社員については、経営者や上司などの後押しや承認も必要です。さらに今は20歳未満でも、将来の仲間となる可能性のある方との協働や40歳以上の方からの紹介も持続的な拡大機会の一つとなります。つまり、私たちの価値や魅力が候補者自身だけではなく、このまちに住み暮らす人、活動する人にも伝播していく必要があります。

 このことから、会員候補者一人ひとりの価値観に合わせて青年会議所の興味関心を高め、入会に繋げていく例年の会員拡大活動に一層の力を入れるとともに、会員候補者以外の方々にも、青年会議所の地域への想いや地域のための活動に共感し、応援してくれるサポーター、つまり青年会議所のファンになっていただくことに力を入れて参ります。共感を生む上では、社会的意義、開示性、そして利他の精神の3つの要素を含めたストーリーを伝えていくことが効果的であるため、具体的には、一つの事業についての目的や目指す未来像、そして我々の想いを知っていただけるよう、それまでの活動を様々な手法を用いて発信していきます。これは、一つの事業を構築し実施するまでの委員長をはじめ多くの会員が課題解決に向けて日々思考を巡らせ、苦悩し議論を繰り返し、資料を準備し、また関係者を調整するなど、数か月間の汗と努力の結晶である背景にも価値があり、共感を生む可能性があると考えるからです。ここから協働に向けて「一緒に応援しよう、一緒にやりたい」と思っていただける人が増えるきっかけをつくります。今ではクラウドファンディングやプロセスエコノミーをはじめとしたストーリーを伝える手本が多くあります。それらから学び、ヒントを得て、青年会議所の運動の意義や活動の背景を知っていただく発信から共感を生み出し、一人でも多くのファンをつくっていきましょう。このまちの人々の多くが青年会議所のファンになったとき、自発的に青年会議所に興味がある!入会したい!という人が増え、延いては持続可能な青年会議所の実現と運動の推進力の向上につながると確信しております。

一人ひとりの成長から

 いつの時代も、我々青年会議所はJCI Missionの「To provide development opportunities that empower young people to create positive change」(青年会議所は、青年が社会により良い変化をもたらすための発展と成長の機会を提供する)を使命とし、会員一人ひとりに発展と成長の機会を提供する組織として、社会に必要とされる組織として、このまちの明るい豊かな未来のために進化を続けていかなければなりません。

 組織としての進化を考えるとき、先ずは組織を構成する人について考えることが重要です。なぜなら、組織マネジメントの第一人者であるP.F.ドラッガーが著書「マネジメント」で「マネジメントとは、人にかかわるものである」と提唱したように、いかなる組織もその中心は人であり、人の成長こそが組織の成長へと繋がるからです。

 そこで注力するのは、全ての会員が進むべき方向性を理解すること、また、一人ひとりがどのように成長したいのか、もしくはどのように成長して欲しいのか期待値を合わせること、そして対話を行うことです。これにより、会員が相互に成長を助け合い、そして認め合うことによる成長の可視化を行い、内発的動機付けによる成長を促し、このまちの未来を担うリーダーを育成します。具体的には3つの取り組みを行っていきます。1つ目は、特に経験年数が浅い会員に青年会議所の目的を理解していただくことはもちろん、会員一人ひとりに2022年度体制の目指す方向性を共通理解し、共感していただくこと。2つ目は、対話を通して一人ひとりに自分に何が求められているかを理解していただき、そして自分自身の可能性を信じていただくこと。そして3つ目は、一人ひとりの知識や課題発見・解決能力の向上を図り、互いに成長や課題を認め合うことです。これら3つの取り組みを通して会員一人ひとりの成長を図って参ります。

組織力の向上

 JCI当別は、ここ数年間での会員拡大の成功により、20代から30代前半の会員の増加や、様々な事業や機会を通してLOM内に活気が生まれ、多くの会員が切磋琢磨しながら組織力をもって運動を展開しています。しかし、現在入会年数3年未満である会員が半数を占め、JC歴が浅い会員と経験豊富な会員との間には、社会の変化や価値観の多様化など様々な要因により青年会議所活動に対する意識の差が生じており、例として、時間に対する考え方やコミュニケーションの取り方、また家庭や仕事、青年会議所活動の優先順位などが挙げられます。この意識や優先順位の違いは、これからもLOMが一体となって運動を展開していく上で組織力の低下を招く可能性を持っており、入会年数が浅い会員と経験豊富な会員が在籍している今こそ向き合わなければならない問題です。そのため、会員一人ひとりの価値観や状況を理解しながら、それぞれが運動の推進力が高いJCI当別とはどのような組織なのかということを考え続けることで生まれる帰属意識の向上から、組織力の強化を図っていく必要があります。

 そこで、これまで先輩諸兄によって積み上げられてきた信頼と実績をはじめとした青年会議所の強みや、単年度制だからこその強みや反対に苦手な分野やリスクなどを把握した上で、私たち会員一人ひとりがこれからのLOMのあるべき姿について、主体的に向き合う機会を創出し、入会年数の浅い会員の自身が組織の中心であるという意識の醸成と向上を行います。また、ここでも双方向の対話から、互いの価値観を知ることや、現在行っていることの意図に対する理解を深めることで、活動に対する意識の差を埋め、運動の推進力向上に繋げます。同時に、育児や家事などに積極的に参加しながらも誰もが活動できるよう2020年度にJCI日本より認定を受けた「育LOM」を進めていく上で、WEB会議における時間のルール設定や効率化を進めるなどの検討やJCI日本の組織改革マニュアルを活用し、個々の会員の状況を鑑みつつ一層の生産性を高め、運動を最大化させられる環境の構築を進めて参ります。

 

学びの機会

 新入会員や入会年数が浅い会員が青年会議所について体系的に学ぶことができる機会として2020年度始まったLOMアカデミーは、青年会議所という組織や何のために活動をしているのか、どのような活動をしているのかを理解する上で機能しているシステムの一つです。これまで、青年会議所の理念や組織をはじめ様々な知識やスキルを1年間で習得できる構成により、入会当初に行う新入会員セミナーよりも広く深く学んでいただき、人材育成の面で大きな成果を出しています。しかし、短い期間で多くのことを覚える必要があるカリキュラムであったことから、学びに対して受動的になりやすく、自ら考え、主体的な行動を起こす人材への育成という点で課題が残っていました。

 そこで、より時間をかけて能動的に考える機会をつくり、様々な価値観の新入会員に響く、幅を持たせたLOMアカデミー運営に移行することにより、青年会議所やまちの課題に対して自らの頭で考え、主体的に活動に取り組むことができるJAYCEEを育成します。

 具体的には、会員としての知識や心構えなどを経験豊かな会員や先輩諸兄からご教授いただくことに加えて、様々な交流や仕事に応用する方法、成功事例の学習、さらに実際の事業構築方法などについて年度を越えて小さな成功体験から実践を積み重ね、成長を促していくことができるLOMアカデミー塾の中期的なカリキュラム化を図り、年度を越えて実践検証を繰り返す中で毎年のブラッシュアップによるLOMアカデミーの進化に取り組んで参ります。

おわりに

 2019年12月にビジネス・ラウンドテーブル(米国の主要企業200のトップが会員となる団体)が「企業の目的に関する声明」を出し、企業や団体のパーパス(=社会的存在意義・目的)が重要視されたことで、SDGsにおける社会課題への取り組みなども含め、社会的意義の高い活動が個人や企業からも注目されて始めている。これは自身の利益のみを追い求める利己的な価値観が、広くは地球環境から身近なところでは地域のための存在意義や価値は何か、という利他的な思考を重視する方向へと世の中が変わっていっているということだ。

 

 この流れは設立時から利他の精神で活動を続けている青年会議所にとっては追い風であり、私たちの活動に共感してくれる人々が増える可能性を秘めている。そのような時代の後押しとともに、これからの私たちの活動によって青年会議所のファンが一層増え、今以上の推進力を持って運動を展開している私たちの未来が楽しみで仕方がない。

 

 そんな可能性に溢れている未来が待っているのだから、課題を見つけて悲観的になるのはやめよう。解決した世界の想像にワクワクしながら、それまでの過程さえも楽しもう。

 

 明るい豊かなまちは、数多ある課題という壁の向こう側にある。

 その壁を乗り越えるには志と仲間が欠かせない。

 自分を信じ、仲間を信じよう。

 捉え方で世界は変わる。

 明るい豊かな未来に向けて共にワクワクしていこう。

 

基本方針

1.多様性と協働から生まれる新たな価値の創造

2.多世代の共感が創る持続可能な組織への進化

3.このまちの未来を担うリーダーの育成

4.相互理解による組織力の強化

5.能動的なJAYCEEを生み出す環境の構築